シカの角のように分かれて伸びる葉が印象的なビカクシダ(コウモリラン)。
その中でもビカクシダ・ネザーランド(Netherland)は、比較的コンパクトで扱いやすく、ビカクシダ入門にもぴったりな人気品種です。
この記事では、「ビカクシダ ネザーランド 育て方」と検索している初心者〜中級者の方に向けて、室内でふんわりとしたシルエットを保ちながら、元気に育てるポイントをやさしく解説します。
ビカクシダは着生シダ(ちゃくせいしだ)といって、地面ではなく木の幹や岩などにくっついて育つタイプのシダ植物です。
土植えの観葉植物とは根の役割や水の吸い方が少し違うため、置き場所・水やり・湿度にコツがあります。
その分、板付け(いたづけ)やハンギングなど、インテリア性の高い飾り方が楽しめるのが魅力です。
ビカクシダ・ネザーランドってどんな植物?
ビカクシダ(コウモリラン)の基本
ビカクシダは、ウラボシ科ビカクシダ属のシダ植物で、英名ではStaghorn fern(スタッグホーンファーン)と呼ばれます。
「シカの角(スタッグホーン)」の名の通り、細長く伸びる葉が枝分かれして角のような形になるのが特徴です。
さらに、株元を包み込むように広がる丸い葉(貯水葉・ちょすいよう)があり、水分や養分を蓄えたり、株を支えたりする役割を持っています。
ネザーランドの特徴
ビカクシダ・ネザーランドは、数あるビカクシダの中でも育てやすく丈夫な入門品種と言われています。
特徴としては、
- 葉(胞子葉・ほうしよう)が比較的細かく分岐し、ふわっとしたシルエット
- 貯水葉があまり大型になりすぎず、コンパクトにまとまりやすい
- 他のビカクシダに比べて耐陰性があり、室内でも育てやすい
などが挙げられます。
「ビカクシダを育ててみたいけれど、初めてで不安」という方にとって、ネザーランドは頼もしいパートナーになってくれます。
基本情報(学名・性質)
・学名:Platycerium bifurcatum ‘Netherland’ など
・英名:Staghorn fern ‘Netherland’
・科名・属名:ウラボシ科 ビカクシダ属
・原種の原産地:オーストラリア〜ニューギニア周辺の森林
・分類:常緑シダ植物(着生シダ)
・耐陰性:あり(明るい日陰〜半日陰を好む)
・耐寒性:やや弱い(目安:最低5〜10℃以上)
・室内向き:◎(板付け・ハンギングでインテリア性も高い)
ビカクシダ ネザーランド 育て方|基本のポイント
置き場所:明るい日陰〜半日陰がベスト
ビカクシダ・ネザーランドの育て方で最も大切なのが、置き場所です。
原産地では、大きな木の幹や枝にくっつき、木漏れ日の中で育つ植物なので、室内でも似た環境を意識してあげると調子がよくなります。
おすすめの環境は、
- レースカーテン越しに柔らかい光が入る窓際
- 日中を通して明るい日陰になるリビングの一角
- 窓から少し離れた、天井照明や間接照明も届く場所
といった「明るい日陰〜半日陰」です。
直射日光に長時間当てると、葉焼け(葉が茶色く傷むトラブル)を起こしやすいので注意しましょう。
暗すぎる場所はNG
ネザーランドは耐陰性がありますが、窓のない廊下や真っ暗な部屋など、極端に暗い環境では弱ってしまいます。
・葉の色がくすんで元気がない
・新しい葉がなかなか出てこない
と感じたら、今より少し明るい場所へ移動してあげましょう。
風通しと湿度のバランス
ビカクシダ・ネザーランドは、湿度のある空気を好みますが、風通しの悪いジメジメした環境は苦手です。
エアコンの風が直接当たる場所や、常に空気がよどんでいる場所は避け、ときどき窓を開けて換気する、サーキュレーターでやさしく空気を動かすなどして、「しっとり+サラッと」した環境を意識してみてください。
ビカクシダ・ネザーランドの水やり
水やりの基本イメージ
ビカクシダ ネザーランド 育て方で特に迷いやすいのが水やりです。
ポイントは、
- 水苔(みずごけ)や土の表面がしっかり乾いてからたっぷり
- 「毎日少しずつ」よりも、「メリハリをつけてしっかり湿らせて、しっかり乾かす」
というリズムを意識することです。
鉢植えの場合の水やり
まだポットや鉢に植わっているネザーランドの場合は、一般的な観葉植物の水やりに近いイメージでOKです。
- 土の表面が乾いてから、鉢底から水が出るまでたっぷり与える
- 受け皿に溜まった水は、必ずその都度捨てる
- 春〜秋は、環境に応じて7〜10日に1回程度が目安
- 冬は成長がゆるやかになるため、回数を減らして「乾かし気味」に
板付け(いたづけ)の場合の水やり
ビカクシダ・ネザーランドを板付け(コルクや流木、板に水苔で固定する飾り方)している場合は、水やり方法が少し変わります。
- 水苔が軽くなり、触って硬くパリっとするくらいまで乾かす
- 乾いたら、バケツやシンクに水をためて板ごとドボンと浸す
- 5〜10分ほど置いて、苔や根がしっかり水を吸ったら引き上げる
- しっかり水を切ってから、元の場所に戻す
春〜秋は環境により3〜7日に1回ほど、
夏の高温期はやや頻度が増え、冬は頻度を減らして乾かし気味に管理します。
葉水(はみず)で湿度を補う
乾燥しがちな室内では、霧吹きでの葉水(はみず)も効果的です。
特に暖房やエアコンを使う季節は、
- 朝か日中の暖かい時間帯に、細かい霧で全体を軽くしめらせる
- 貯水葉の中に水が溜まりすぎないように、吹きかけすぎない
といった点を意識すると、葉がしなやかに保たれ、ハダニなどの害虫予防にもつながります。
ビカクシダ・ネザーランドに合う用土と板付け素材
鉢植えの場合の用土
鉢で育てる場合は、水はけと通気性のよい用土を使います。
市販の「観葉植物の土」だけでも育ちますが、よりビカクシダ向きにするなら、
- 観葉植物用培養土:3
- バークチップまたはヤシガラチップ:2
- 軽石またはパーライト:1
といった配合にすると、根が蒸れにくくなります。
板付けに使う素材
ネザーランドと相性の良い板付け素材には、次のようなものがあります。
- コルク樹皮
- 流木
- 木製の板(無塗装で耐水性のあるもの)
株元に水苔(みずごけ)を巻き、麻ひもやビニタイで固定するスタイルが一般的です。
水苔は、ふんわりほぐしてから使用し、ぎゅうぎゅうに詰めすぎないことで、通気性と保水性のバランスがよくなります。
植え替え・板付けのタイミング
植え替えの目安
ビカクシダ・ネザーランドを鉢植えで育てている場合、2年に1回程度を目安に植え替えをすると良いでしょう。
次のようなサインが出てきたら植え替えのタイミングです。
- 鉢底から根がたくさん出ている
- 水やりしても、すぐに土が乾きすぎる
- 用土が崩れて、べたっと重たい状態になっている
植え替え・板付けに適した季節
植え替えや板付けに適しているのは、気温が安定して暖かい「5〜7月ごろ」です。
この時期は根の動きが活発で、新しい環境にもなじみやすいため、失敗が少なくなります。
真冬や真夏の極端な時期は株への負担が大きくなるため避けましょう。
肥料の与え方
成長期に薄め&少なめで十分
ビカクシダ・ネザーランドには、春〜秋(4〜9月ごろ)の成長期に肥料を与えます。
与えすぎは根や葉を傷める原因になるため、薄め&少なめが基本です。
・緩効性化成肥料(粒状):成長期にごく少量を用土の上に置く。
・液体肥料:観葉植物用を表示の2倍程度に薄めて、月1〜2回を目安に与える。
板付けの場合は、水やりの時に薄めの液体肥料を水に加えて吸わせる方法もおすすめです。
冬越しのコツと注意点
5〜10℃を下回らない場所で管理
ビカクシダ・ネザーランドは、霜や凍結に弱いシダ植物です。
目安として5〜10℃を下回らない場所で管理できると安心です。
冬は、
- 屋外管理の場合は、最低気温が10℃を切る頃に室内へ取り込む
- 室内では冷気の溜まりやすい窓際から少し離す
- 玄関や廊下など、冷え込みやすい場所は避ける
といった点を意識して、冷えすぎない場所を選びましょう。
冬の水やりは控えめに
冬は成長がゆるやかになるため、水を吸う力も落ちます。
鉢植えの場合も板付けの場合も、「いつもより間隔をあける」ことを意識し、
・土・水苔が完全に乾いてから数日あけて少し与える
・暖かい日の午前〜日中に水やりをする
といったリズムに切り替えましょう。
ビカクシダ ネザーランドによくあるトラブルと対処法
葉先が茶色く枯れてくる
葉先だけが茶色くなってきた場合は、
- 空気の乾燥(エアコンの風・暖房)
- 水切れが続いている
- 直射日光による葉焼け
などが考えられます。
置き場所を見直しつつ、葉水で空中湿度を補う+水やりリズムの調整をしてあげましょう。
葉がしんなり垂れて元気がない
葉が全体的にしんなり垂れている場合は、水不足や、逆に水のやりすぎによる根のダメージが疑われます。
・水苔・用土が長くカラカラ → しっかり吸水させる(水に浸す/鉢底から水が出るまで)
・常に湿っている・腐敗臭がする → 根腐れの可能性があるため、一度様子を見て、必要であれば植え替え・苔の交換を検討しましょう。
貯水葉が茶色くなってきた
株元を覆う貯水葉(ちょすいよう)は、役目を終えると自然に茶色くなり、外側の古い貯水葉が茶色く、内側から新しい緑の貯水葉が出てくることがよくあります。
これは自然なサイクルなので、カビ臭い・柔らかく腐っているなどの異常がない限り、無理に剥がさなくて大丈夫です。
害虫(ハダニ・カイガラムシ)対策
乾燥や風通しの悪さが続くと、ハダニやカイガラムシがつくことがあります。
葉に白いポツポツやベタつき、細いクモの巣のようなものが見えたら、柔らかい布や綿棒で拭き取り、必要に応じて観葉植物用の殺虫スプレーで対処します。
日頃から、葉水や換気で環境を整えることで予防につながります。
ビカクシダ・ネザーランドをおしゃれに飾るアイデア
板付けして壁にかける
ビカクシダ・ネザーランドと言えばやはり板付けが定番です。
コルクや木の板に水苔で固定して壁にかけると、「壁から生える森のグリーン」のような雰囲気になり、インテリアの主役級アイテムになります。
ハンギングで宙に浮かぶグリーンに
フック付きのプランターやアイアンハンガーにかけて、宙に浮かぶように飾るのも素敵です。
視線の高さに広がるビカクシダの葉は、日常の中に「小さなジャングルの景色」をつくってくれます。
他の着生植物と組み合わせて「壁面ガーデン」に
エアプランツやチランジア、流木に着生させたコウモリラン仲間などと一緒に飾ると、小さな壁面ガーデンが作れます。
いくつかの板付けを高さ違いで配置することで、ショップのようなボタニカルディスプレイが自宅でも楽しめます。
ビカクシダ ネザーランド 育て方 Q&A
Q. ビカクシダ ネザーランドは初心者でも育てられますか?
A. はい、ビカクシダの中でもネザーランドは特に丈夫で、初心者向きの品種です。
「明るい日陰」「水やりのメリハリ」「適度な湿度と風通し」の3つを意識すれば、大きな失敗は防ぎやすくなります。
Q. 室内だけでも大丈夫?
A. 室内だけでも十分育てられますが、必ず窓からの自然光が届く場所に置きましょう。
春〜秋の心地よい季節に、ときどきベランダなどで半日陰に出してあげると、株がしっかりしてより元気に育ちます。
Q. ペットや子どもがいても大丈夫?
A. 一般に流通している観葉植物と同様、口に入れることを前提にしていない植物です。
誤食トラブルを避けるためにも、ペットや小さなお子さまの手が届かない場所に飾るのがおすすめです。
まとめ|ビカクシダ ネザーランド 育て方のポイント
最後に、ビカクシダ ネザーランド 育て方の大事なポイントをおさらいします。
- 置き場所は「明るい日陰〜半日陰」、直射日光は避ける
- 風通しと適度な湿度を意識し、エアコンの直風は避ける
- 水やりは「しっかり乾かしてからたっぷり」、板付けは浸水でしっかり吸水させる
- 水はけのよい用土・水苔と、通気性のある板や鉢を選ぶ
- 植え替え・板付けは5〜7月ごろの暖かい時期に
- 肥料は成長期に薄めのものを少量だけ
- 冬は5〜10℃を下回らない場所で、水やり頻度を減らして管理
- 葉色や貯水葉の変化をチェックしながら、環境をこまめに微調整する
ビカクシダ・ネザーランドは、育てるほどにシルエットが変化し、愛着が増していく観葉植物です。
ぜひ、お部屋の壁や窓際に迎えて、森の一部を切り取ったようなグリーンの景色を、日々の暮らしの中で楽しんでみてください。

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